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本レビューその2

前回は読者の期待を裏切って申し訳ない。
今回はちゃんと小説のレビューですよ!

本当は太宰とかにしようかなとは思ったんですけど。
個人的には太宰の本は親しみづらいですね。
文章にいちいち天才を感じさせられるから(笑

まぁでもほんとはそこがいいんですよね。
そこでその単語が出るのか!と思わせたり、ずば抜けて巧いです。
しかし、やはりもう少し多くの人にも親しめるような小説をレビューしたほうがいいかなぁなんて思ったので。

今日はこれを紹介したいと思います。






湯本香樹実の「夏の庭」です。
文章も分かりやすいですし、内容も人の心を掴むものです。
物語は、人の死ぬところが見たいという小学生三人が近所の爺さんを観察し続けるところからはじまります。

なんとも不謹慎ですが。

まぁでもこれが素敵で少し悲しくもあり、希望もあるという話につながっていくのです。
大人になるために経験しなければならない別れを巧く描いています。
個人的に、最近の小説は死を仰々しく描きすぎかな、と思うのです。
だから結局また死にオチ恋愛小説か、飽きた、って状態になっちゃうんです。

そこの点を考えると、この小説は死に関してはそんなにスポットを当てているように感じません。
まるで人生のおまけみたいな感じです。

また、本を読んでみれば分かると思いますが、すべての登場人物の内面が変化していきます。
これは良い小説となる基本ですからね。
センター試験の小説なんかもちゃんと内面が変化していきますよ。


そういうのを読み取るトレーニングとしてもよいでのはないでしょうか。
この小説は映画になっているみたいです。 おじいさん役は三國廉太郎さんだったかな。
もし時間があったら映画も見ることをオススメします。

今回も真面目にレビューしました。

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